三澤浩二/表出
2023.9.25[Mon]-10.14[Sta]
幅広 (20cm ぐらい)の刷毛に、薄く解いた絵具を十分に 染み込ませ、縦横に塗り重ねていく。
ふと、小学校の時に見学した紙漉きの仕事場を思い出した。
漉桁 ( すけた ) と呼ばれる道具に紙液を汲み込み、何度も 揺り動かす厳寒の作業、繊維が絡み合い、
つなぎ合い、 一枚の紙へと進む。
私もそれに似たピッチ描法で、画面に見られる色と形を 手掛かりに、薄い絵具を静かに重ねて行く。
やがて、層を成して、絵画の物質へと変貌を遂げる
三澤浩二/Koji Misawa